
アイスランドの真冬。
まだ夜と朝の淡いにある凍てつくような時間帯。
空は淡いパステルブルーからピンクへと溶けていく。
その優しい色彩とは裏腹に現実の世界は苛烈(かれつ)だった。
風は荒れ狂い、視界を遮るほど雪を巻き上げる。
道路に積もったパウダースノーが風に吹き飛ばされ、
何度もアスファルト上を横断し、道路に白のストライプを描き続けた。
まるで、風が筆となり、雪を絵の具に即興で描いたキャンバスだ。
しかも、
その美しさの裏には自然の圧倒的な力と、
ほんの少しの油断すら許さない危険が潜んでいる。
ハンドルは風に煽られ、車体は軋む。
ハンドルを握る指には自然と力がこもる。
それでも遠くの雪山に続く道の存在は、
不思議と恐怖よりも感動を呼び起こしてくれた。
その先にはまだ見ぬ景色があり、
まだ知らぬ出会いがあるかもしれない。
地球の鼓動を感じながら、
一筋の道をただ前へと進んでいく。
この瞬間、
この場所でしか味わえない旅の本質が、
そこにはあったのだ。


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